自筆証書遺言の書き方に関するQ&A
自筆証書遺言を書くための用紙はありますか?
自筆証書遺言を書くために、決められた用紙はありません。
どのような紙に書いたとしても、法律上の効力に影響はありません。
しかし、メモや付箋に遺言書の内容を記載しても、間違って捨ててしまったり、失くしてしまったりする可能性があるため、紛失しないようある程度の大きさの紙に書いて、封筒などで保管しておくことをおすすめします。
紛失のリスクに備えるため、法務局の自筆証書遺言保管制度を利用するという方法もあります。
鉛筆で書いても自筆証書遺言として有効ですか?
どのような筆記具を使っても、法律上の効力に影響はありません。
もっとも、鉛筆や、消すことができるボールペンだと、後から書き換えられてしまう可能性がありますので、消せないボールペンや、万年筆などを用いた方がよいと思います。
自筆証書遺言の書き方が分かりません。何を記載すればいいですか?
遺言書の内容、日付、署名、押印は必ず必要です。
この4つのいずれかが欠けると、原則として自筆証書遺言は無効になります。
遺言書の内容とはどのようなことを指しますか?
遺言書の中に記載できることは、法律で定められています。
主要となるのは、どの財産を誰に渡すのかという内容です。
財産内容は、後々のトラブルを避けるため、明確に書いておく必要があります。
例えば、不動産であれば、登記簿謄本に記載されている情報を正確に記載すべきですし、預貯金であれば、銀行名や口座番号等を明記しておくことが重要です。
また、誰に渡すのかということも、「お世話になった人」などのあいまいな表現では特定ができなくなってしまいますので、「お世話になった長男」などと明確に記載する必要があります。
遺産の分け方以外に何を書けばいいですか?
例えば、お墓を誰が受け継ぐのかといったことを記載することができます。
他にも、認知していない子がいれば、遺言書で認知をすることもできます。
また、遺言書の内容を実現するために、遺言執行者の指定も行っておいた方がよいでしょう。
遺産を渡したくない相続人がいる場合、自筆証書遺言の書き方で注意すべきことはありますか?
遺留分が発生するという前提で、残された家族に迷惑がかからないようにする必要があります。
特定の相続人に遺産を渡さない場合、遺留分が発生する可能性があります。
遺留分が発生すると、遺留分を侵害された者が遺留分侵害額請求をするおそれがあります。
協議がまとまらない場合、残された家族同士で、裁判を行うといった事態に発展しかねません。
そこで、遺留分にも配慮した遺言書を残すかどうかを、慎重に検討する必要があります。
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