株式の名義変更はどのように行いますか?
1 株式の名義変更とは
亡くなった方が証券会社にお持ちであった株式を引き継ぐ行為が、株式の名義変更手続です。
預貯金の名義変更と比較して難易度が高く、手続に時間がかかるため、注意が必要です。
2 株式の名義変更の方法
株式の名義変更の方法は、預貯金と同じく、各証券会社の書式を使用する方法と遺産分割協議書を作成する方法があります。
預貯金との違いとして、遺産分割協議書を作成する場合であっても、別途証券会社の書式で詳細な記載が求められるケースが多くあります。
各株式をどの割合で取得するのか等について、遺産分割協議書では必ずしも明記されませんし、不正確な場合があるからです。
どのようなケースかといいますと、例えば、ある株式500株を分割協議書で2分の1ずつ分けると記載していても、その株式の単元株数が100株であった場合には、250株ずつで分配することができず、200株と300株で相続することになりますし、また、500株だと相続人が思っていても、株式の分割や併合が直前に行われていて、実は5000株であったというケースもあるためです。
ただ、だからといって遺産分割協議書に証券会社を記載しないというのは後日の争いのもとになりますので、遺産全体の分割について相続人全員が合意してから手続を行うために、やはり遺産分割協議書は作成するべきです。
そして、株式の場合には預貯金とは異なり、相続人が解約を行う証券会社の口座を開設して、株式を引き継ぐ必要があります。
株を売却したい場合でも、一度相続人の口座を作成して株式を引き継いだ後に売却になります。
また、預貯金と異なり、配当金の精算が必要になるうえ、配当金の管理をしている会社は手続を行う証券会社ではない場合があるため、手続が煩雑になることがあります。
3 株式の名義変更が手間だと思ったら
株式の名義変更は上記のように難易度が高いため、手続が難しいと感じた際は、弁護士にご相談ください。
ご依頼いただければ、相続人の代わりに名義変更手続を行うことも可能です。